日本臨床内分泌病理学会

理事長あいさつ

内分泌病理学会 理事長
東海大学医学部基盤診療学系病理診断学 長村 義之

 理事長を拝命しております東海大学医学部の長村義之でございます。
 日本内分泌病理学会(JEPS)は、(社)日本内分泌学会の分科会として発足しましたが、日本内分泌研究会と称していた時期を含めると、足掛け14年になる伝統ある学術団体として発展してきています。JEPSは内分泌疾患を基礎、病理、臨床が英知を終結して「疾患の解明」「疾患の診断・治療」における課題を解決するという横断的・学際的な団体といえます。会員数は、約170名と、決して、まだ多いとは言えませんが、下垂体、甲状腺、副甲状腺、膵臓、副腎、消化管などでの内分泌分泌疾患を厳しく、かつ楽しく学んでいます。Endocrine Pathologyを機関誌としています。
 思い起こしますと、当初病理学者が内分泌学会の際に参集し、自然に寄り集まって、臨床および基礎の方々に声をかけ、内分泌疾患を勉強する「内分泌病理クラブ」が任意団体として発足しました。名称改め「日本内分泌病理研究会」の初代会長は東北大学の笹野伸昭先生で1992年に発会式が徳島で開催されました。その後、1997年日本内分泌学会分科会としての日本内分泌病理研究会となり、2000年に日本内分泌学会の意向により本学会の運営も他の分科会と並び理事長制度に移行し、名称も「日本内分泌病理学会」と改称しました。
 冒頭にも書きましたが、ホルモンの定義が変遷してきたと同時に、内分泌病理学の範疇も拡充されてきています。例えば、いわゆる神経内分泌腫瘍の範疇に入る腫瘍も予想以上に多くの臓器で報告され、それらに対するソマトスタチンアナローグを用いた分子標的治療も定着してきています。基礎、病理、臨床を包含した横断的な議論の出来る本学会は、診断・治療において多方面に情報を発信することが期待されています。

 若い学徒を誘い入れ、本学会が益々発展するよう尽力することが、理事長の指名と存じております。皆様のご支援を宜しくお願い申し上げます。